生イスラエル

なぜにイスラエル?いや、ほんとなんでイスラエル?自分でもわからんことだらけのイスラエル留学生活奮闘記。

イスラエルと水(1)

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みなさん、こんにちは〜〜〜

マサです^^

実はこの夏日本に無事勉強を終わらせて帰ってきました。

でも、

「結局マサはイスラエルで何を勉強してるの?」

という質問が多数寄せられていました。

*一つも寄せられていません。

 

なので、サービス精神旺盛なマサは誠実に答えていきたいと思います。

*自問自答の意

 

え〜と、そうですね。

水の勉強を大学院でしていました。

もっと具体的にいうとシャワーとか洗面台とかから出る排水(中水という)を再利用する研究をしていました。

 

んじゃ、なんで今まで自分の分野に関わる記事がなかったのか。

というこちらの質問も多く承りましたが、

*承ってございません。

それは、いたって簡単。

 

そんなに、水の研究好きじゃない。。。

なんか明るすぎない良い感じの青がありました。

 

水自体にあまりときめかない。。。

いや〜〜〜やっぱり違いますよね。

ドクターとかやる人たちの目が輝いていること!

 

まっぶし!

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それは

ひつまっぶし!

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いや、それはひまつぶし!

それはお前のブログ!

 

って、誰がや!

 

ありがとうございました〜〜〜

 

って終わるな終わるな。

始まりの兆しすら見えてへん。

 

ま、てなかんじで、あんまり水そのものに対する情熱は僕ございやせん。

でも、水はやっぱり大切な資源。

これから世界は人口も増えて、水がどんどんなくなっていきます。

水が豊富な日本ではあまり感じないかもしれないですが、水の有無が人命を左右している国もあります。

多分、自分の心の何処かで、水で困っている人たちを助けることができたらいいなぁとも思っています。

 

さて、イスラエルは水を確保することが国として存続していくのにあたって、最大の課題の一つでした。

つまりイスラエルは水とめちゃくちゃ真剣に向き合ってきたわけです。

ということは、水というトピックにおいて彼らから学ぶことはめっちゃあります。

そして、誰よりも真剣に水という資源と格闘してきたから生まれる歴史は

めちゃくちゃおもしろい!

そんなイスラエルの水の歴史を紹介して生きたいと思います。

今回はこちらのネタ本をベースに書きました。

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https://www.amazon.co.jp/dp/B00V39P6WE/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

"Let There be Water"

訳すと

「水よあれ!」

聖書に神が光を創造されたとき、

「光よあれ!」

をオシャレに題名に持ってきたわけですよね。

もう名前からして、良書。

ニューヨークタイムズのベストセラーなのですが、

ばりおもろい!

 

著者の書き方もあるのでしょうが、たくさんのドラマが詰まっているんです。

邦訳もあります:

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またイスラエルの歴史も紹介していくのですが、それの参考図書はこちらです。

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https://www.amazon.co.jp/dp/B07C86XDJ5/ref=dp-kindle-redirect?_encoding=UTF8&btkr=1

これもめちゃくちゃ良書!

わかりやすく、物語のようにイスラエルの近代史を紐解いてくれています。

是非是非興味があれば、読んでみてください〜

 

では、早速、イスラエルと水の物語を見ていきましょう!

 

イスラエルとまず聞くと、やはり砂漠を思い浮かべられる人が多いと思います。

となると、

砂漠=>イスラム=>過激派=>発狂

とはならないで欲しいのですが、砂漠があることは確かなんです。

この赤いとこが、国土の約60%のネゲブという砂漠です。

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実際にはこんな感じです。

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マサに砂漠。

あ、マサと砂漠。

ややこしい。

 

僕も砂漠を結構ハイキングしたんですけど、ほんっと全部砂色で萎えてきます。

一本だけ木が生えていたりすると本当に癒されます。

 

でも、それだけ水がないんですよね。

これは聖書の時代からもそうでした。

イスラエルがエジプトの奴隷の支配下から脱出したときも、ここら辺の荒野でモーセに、

「水がない〜水がない〜もうエジプトにいた方がよかったんや。なんで出てきてしもたんやろ。肉食べたい〜水飲みたい〜」

イスラエル人たちはぶつぶつ言ってたわけですよ。

(までも、実際この砂漠40年近く堂々巡りしてたら、僕も絶対文句言ってる)

で、モーセは岩を叩いてそこから水が出るという奇跡を起こすんです。

これもありえなくないのは、砂漠でも地中に水が溜まっているところを掘り当てたら水が出ます。

 

他にも、僕が住んでいたハイファあたりにあった干ばつのこと(預言者エリヤ)も聖書に書いてあります。

 

つまり聖書の時代からイスラエル人にとって水は死活問題でした。

水がないと干からびます。

短い雨季もありますが、そこで雨が降らないと穀物が育ちません。

年がら年中雨が降る日本とは水に対する意識が違います。

 

しかし、日本人にも身近にイスラエル人たちの水意識の高さが垣間見れる歌があるんです。

 

そう、それは。。。

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まいむ、まいむ!

なのでした!

 

「マイム・マイムの不思議なメロディ。子供の頃から刻まれているリズムに、みんな飛びついた。。。」(映画「帝◯の國」より)

 

そう、日本人であるならば、一度は聞いたことのある

「まいむ、まいむ、まいむ、まいむ、まいむ、べさっそん!」

(ちなみに筆者は日本の学校にほとんど行っていなかったので、最近になって初めて聞いた)

 

これ実はヘブライ語なんですよ!

マイム=水

サッソン=喜び

 

で、聖書のイザヤ書という書簡から来ています。

イザヤ書12:3

「あなたがたは喜びながら、救いの泉から水を汲む。」

この「喜びながら、水を汲む」というところが「マイム・ベサッソン」に当たるわけです。

またここからも聖書時代からのイスラエルと水の密接な関係を垣間見ることができます。

 

*ちなみにこの歌と振り付けの由来はイスラエルの初期の入植者たちにあるらしい。

1937年にナンというキブツイスラエルの集団的農業共同体)で井戸をほっても、ほっても、出てこず、やっと出て来た井戸を祝う歌としてできたようです。

結果、イスラエルを代表するフォークダンスとなり、たまたま第二次世界大戦後、GHQの教育担当者の趣味がフォークダンスであったことから、日本に紹介されたそうです。

 

少し話がそれてしまいましたがユダヤ人たちの歴史を続けて見ていきます。

聖書の時代以降、ユダヤ人たちは世界中に散らされてしまうわけです。

しかし、散らされた先々でも、多くのユダヤ人たちはユダヤ教を信仰し続けました。

ユダヤ教の祈りの中でも、イスラエルの雨のために祈る祈りが祈られ続けてきました。

ポーランドやロシアなど、雨がわんさか降る国に住んでいたユダヤ人たちも、イスラエルの雨のためにむっさ祈ってたわけです。

ここでも

水に意識高い系民族

だったわけです。

 

長い長い離散(ユダヤ人が世界中に散らされている状態)の歴史の中、19世紀に反ユダヤ的感情が特にヨーロッパで大きくなります。

 

残念ながら、キリスト教国たちが

ユダヤ人はキリストを殺した民族だ!」

といってユダヤ人を迫害します。

 

キリストもユダヤ人なんですけどね。。。

宗教的な理由でない、人種差別や、上流階級にいたユダヤ人たちへの嫉妬心からも反ユダヤ主義は高まりました。

ロシアではユダヤ人の大学に進学する人数を制限したり、ある特定の「居住枠」に済ませたり、追放したりと悲惨なことが行われていました。

 

そんな中で、ユダヤ人たちの間でシオニズム運動が起こりました。

彼らは

ユダヤ人の国が必要なんだ!

と主張し始めたわけです。

この運動のリーダーで有名なのは。

テオドール・ヘルツェル

さんです。

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ヘルツェルさんは2冊の有名な本を書きました。

1冊目は「ユダヤ人国家」という本で、ユダヤ人国家が必要なんだ!ということを訴えました。

これによって、ユダヤ人たちが奮い立ったわけです。

そして、ほぼ2千年ぶりにユダヤ人たちが集まり、シオニスト会議にてユダヤ人国家を建設するための作戦を練りました。

 

2冊目は「古く新しい国」という本で、まだないユダヤ人国家の理想像を唄いました。

 その理想郷はこのように描かれています。

廃墟は近代都市になり、砂漠には花が咲き、様々な信仰を持った人が共存する国!

そして面白いことに、その国で英雄と見なされているのは、

水道技師

なんです。

 

つまり

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こんな人が

ヒーロー

と見なされてしまうんです!

(ええやんか)

この人はぜんっぜん宗教的じゃないんですが(マ◯オじゃなくてヘルツェルさんは)、それでもユダヤ人として、イスラエルでの水の必要性をわかっていたんですね。

残念ながらヘルツェルさんはイスラエルの建国を見ることはできませんでしたが、その熱き思いは次世代に受け継がれていくわけです。

 

その燃ゆる松明を受け取った一人がこの方:

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ベンちゃんです!(ダヴィド・ベン・グリオン)

*写真は彼の名前からつけられたベン・グリオン空港にて

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それは

ぼ○ちゃん!

この人はイスラエルの初代首相です(ぼ○ちゃんじゃなくて、ベンちゃん)。

え、首相をベンちゃんって呼ぶのは不適切じゃないかって?

 

みなさん今のイスラエル首相はベニヤミン・ネタニヤフですが、

イスラエル人はみんな彼のこと

ビビ

って呼んでます。

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あ、間違えた。

こっちですこっち。

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あ、ビビさんですよ〜〜

ちなみに紹介するのが若干恥ずかしいのですが、上のビビのアニメ画はこちらから拝借しました〜

https://www.youtube.com/watch?v=Ly4Y4vDPwog

アニメ好きのイスラエル人が作ったんですかね笑。

イスラエルをアニメ風のオープニングで作ってみた、みたいな笑

恥ずい。笑

 

はーい!

ベンちゃんに話を戻しましょう〜〜〜

 

ベンちゃんはヘルツェル同様、世俗的なユダヤ人でした。

しかし、シオニズムに影響され、聖書にユダヤ国家の倫理的な基準を見いだせるかもと考えたのでした。

そんなベンちゃんは聖書の書簡、イザヤ書に書いてある、イスラエル砂漠が緑になるということを夢見ていました。

そう、ベンちゃんは夢見る男なのでした!

 

しかし、そんなベンちゃんに絶体絶命の試練が降りかかってきます。 

 

どうするベンちゃん!?
お前がやらねば誰がやる?

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次回に続く